エコキュート運転音による健康被害事件について 弁護士からの報告とメッセージ ~平成23年4月1日発信~

*公害等調整委員会『エコキュート低周波音による健康被害原因裁定申請事件』の報告

 平成21年12月8日に申請、同22年5月の公調委による現地調査を経て、6月28日第1回、9月21日第2回、10月下旬に代理人弁護士が受任し、11月30日の第3回、平成23年3月1日の第4回の審問期日を終えて、現在はメーカー側による低周波音等の測定要請を受けて公調委が測定実施を決定し、その準備段階に入っています。

 公調委の審問において、申請人側は、そもそも必要性がないだけでなく(実は、相手側から自治体が行った測定結果が提出済み、申請人側で測定した報告書を後日提出。いずれも客観性があり資料としては充分)、申請人側に不利な結果をもたらす可能性があるので異議を出したが押し切られたような形で決定した経緯があります。

 申請から1年3ヶ月、代理人が関与してから約半年が経過した今、正に一つの節目です。エコキュートを自宅マンションで使用しているのにその問題性を全く知らず、低周波音の何たるかも全く知らなかった私が初めて相談を受けた9月末日からにわか勉強を始めて、一応問題の概要と核心を理解したうえで、第3回と第4回に合計20頁に及ぶ主張書面を提出して、ほぼ申請人側の主張を完了したのが第4回期日の審問でした。申請人側の訴えを法律的な根拠も含めて言い終えた今も、被申請人らはメーカーを筆頭に徹底抗戦の構えを崩していません。1年3ヶ月という期間は、標準的な裁判の第1回期日から判決までの期間であり、決して短いものではありません(勿論、これだけかかったことを相手方や公調委のせいにするつもりは毛頭ありません)。今後さらに、現地測定の計画立案・測定実施、測定結果の報告、これに対する当事者双方による意見提出、公調委による検討、判断と短く見繕っても後1年はかかりそうです。この時間だけでなく、大変な人的・経済的コスト(100万円以上かかるようです)がかかりそうな測定はその後の見通しも明確でなく、「取り敢えず測定をしないと」という感じです。

 私の依頼者に生じている健康被害は、それが誰のせいかという責任の所在は別として、この1年3ヶ月も、今後の1年もその先もずっと続きます。一方、彼らの「被害」の訴えはそれを認める裁定が下されるまではそんな「被害」はないものと扱われ、万一棄却されれば「エコキュートが健康被害の原因ではない」という『お墨付き』が与えられたエコキュートはますます世間を闊歩することでしょう。

 申請人の申請どおりの裁定が下されるという保証はなく、裁定に楽観的な見通しを持つことは許されません。補助金を出してエコキュートを推奨している国が段取っているこの手続で『エコキュートは健康被害の元凶である』という裁定が下されることを期待することができないのは無理もないと思いませんか(でも、私の依頼者にとっては公調委の裁定しか手段はなかったのです)。申請人以外の当事者と裁定手続の主催者(裁定委員や事務担当官等)にとっては裁定が出さえすれば『終了』ですが、申請人は「被害の救済」が実現しなければ『終了』しません。

 そこで、申請人は「付調停の上申」を行うことを決断しました。「付調停」とは委員長の裁量で裁定手続の途中で「調停」(合意に向けての話し合い)に移行することです。

 申請人が上申した調停案の概要は、①解決のための措置においてエコキュートを設置した隣家(被申請人)には経済的負担を一切かけない、②エコキュートを現在の設置場所(玄関側の裏)の反対側(玄関側)の脇の位置に移設する、③景観を損ねないよう最善の配慮をすることとし、具体的には住宅前面の外観的な調和を図るデザイン的意匠を施したオブジェ的目隠し壁を築造する、④費用は隣家以外の被申請人が分担して負担する、④相当額の解決金を隣家以外の被申請人が申請人に支払う、というものです。

 今後の経過は、また次の報告でお知らせしたいと思います。

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 群馬県高崎市の弁護士法人井坂法律事務所は、エコキュート運転音による被害について悩む方々のために、無料の相談を受け付けます。

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