エコキュート販売・施工業者であるヤマダ電機に対する民事訴訟提起の報告

『エコキュート販売・施工業者は,最低限度の道徳観と公共意識を自覚せよ』
~被告を施工業者のみに絞った裁判は,平成23年以来のエコキュート・エネファーム関連訴訟においては初めてであり,その点に特筆すべき特徴と意義があります~

 前回のブログで予告したヤマダ電機を被告とする裁判を千葉地裁に平成30年10月5日付で提起しました。本訴では,製造業者である日立アプライアンスに対する製造物責任を敢えて追求せず,施工業者の不法行為責任のみに焦点を当てました。
 その理由は,製造物責任は,製品全体にかかわる問題であり,裁判の結果が及ぼす影響の重大性(特に経済的影響)は計り知れず,そのインパクトが余りに大きいために施工業者がその影に隠れてしまう傾向があります。さらに,法的に,PL法は不法行為の特則として消費者保護を厚くすべく定められたというタテマエとは裏腹に,現実の訴訟では製造物責任の方がハードルは高いと思います。
 しかし,施工業者が施工時に配慮しさえすれば被害の発生を回避できるという意味では,現実的な影響力を考えると施工業者の方がずっと重要です。
 そこで,今回は,家電施工業者であると同時に,日本の家電販売の最大手であるヤマダ電機を相手取って提訴することによって,社会全体に,そして,何よりも,ハウスメーカーや電気工事関係業者に低周波音被害防止を訴えることを目指しています。
 住宅が相互に建て込んだ日本の住宅環境では,2メートル程度の距離で互いの壁に挟まれた位置にエコキュートやエネファームが設置されることはかなりの確率で高いことは確かです。このような状況のなかで,営利追求しか考えないセールスで無造作にこれらの機器が設置され,低周波音による健康被害が頻発している現状に鑑みて,この訴訟が提示する問題提起には大きな意義があると思っています。
 エコキュートの移設によって既に被害が救済されている以上,本件訴訟では安易に和解するつもりはありません。通常の低周波音関連訴訟では,常に,原告は裁判と同時進行で健康被害を受け続けています。その意味で,あたかも「人質」を取られた状態で業者らと戦っています。これらの裁判で原告は,この「戦い」を有利に展開していく過程で和解のチャンスを窺い,裁判所のリードによって(これが大変大切です)移設または機種交換を合意内容とする和解を勝ち取るのです(その成功例が前橋地裁(高崎支部),さいたま地裁(川越支部)など)。  
 その意味では,低周波音裁判には,一般的な民事訴訟のレベルを超えた公害裁判特有のセンスが必要です(強い攻撃力がないと始まりません。私が常とう手段としているマスコミ報道は最初の先制攻撃です)。
 ヤマダ電機が自ら社会的存在である企業に求められる最低限度の道徳観と公共意識を自覚し,先行した調停手続での非を認識したことが表されない限りは,和解はあり得ません。それに加えて,本訴では,施工方法の不備はそれなりに明らかなので,製造物責任よりは勝訴の芽があると思いますので。
 和解・判決のいずれであれ,そう遠くない時期にこのブログで報告することになると思います。朗報をお待ちください。

提訴報道記事.pdf