ごあいさつ

弁護士から~「ごあいさつ」に代えて

プロフィール 私は,リニューアル前のHPでは,「正義に対する信仰なき者は弁護士ではない」 と書きました。新しいHPでは,「正義」という言葉は一切使いません。この言葉自体が軽く浮わついて聞える今の時代にはそぐわないと感じたからです。
 今回は,これに「自由」という言葉が取って代わりました。思想統制に始まる権力的抑圧が全くない現代的日本だからこそ,いっそうこの言葉の意味の大切さが問われてよいと思います。
 弁護士法第1条は,弁護士の役割を「基本的人権の擁護」「社会正義の実現」であると高らかに謳っていますが,現実の法的紛争の場で,「基本的人権」や「正義」という言葉を振り回しても何の役にも立ちません。
 現実に何らかの「力」によって抑圧されている独りの人の心に訴え,或いは,心の底に浮かんでしかるべき言葉は,「自由」であり,「正義」でも「人権」でもありません。私が心身共に傷ついたDV被害者に最初に伝えるのは,何の理由もなく生まれながらの「自由」を奪われることの理不尽さです。DV被害者の救済の始まりである「気づき」は,この「自由」の自覚なのです。その人が理不尽に奪われた「自由」を取り戻せたときに,我々がいう「人権」が擁護されや「正義」が実現されることになります。
 その個人の自由を奪っている相手は,暴力夫,虐待親,同級生,教師,学校,上司,会社などであり,様々な大きさ実体をもつ世間(社会)です。ここにある上下関係,権力関係を乗り越えて奪われた自由を我が手に戻すには,法,そして,法律家が必要となります。
日本語では自由という言葉で表される二つの自由,「リバテイ」,その先にある「フリーダム」,この言葉の大切さが分るのに30年かかりましたが,それは,「社会正義」を目標に掲げた当時の私自身が自らを自由であると勘違いしていたことの結果です。                                   私は,「弁護士は最も優れたカウンセラーでなければならない」と今も思っています。紛争の渦中にあって心にダメージを負った相談者に助力するにカウンセラー的視点が不可欠ですし,私自身が自由であるためにもこの視点は欠かせません。
 言葉と表現は大きく変わりましたが,前のHP「ごあいさつ」で述べたことと中身は同じです。

代表弁護士 井坂和広

プロフィール

井坂 和広
Kazuhiro Isaka

経歴

昭和31年1月4日、兵庫県神戸市生まれ。昭和54年早稲田大学政経学部政治学科卒。平成6年弁護士登録
昭和51年頃からアルバイトをしながらプロギタリストを目指すが断念し,昭和60年頃より法律家を志し,7年目に司法試験に合格して現在に至る。

掲載実績
「判例タイムズ1241」、「判例タイムズ1091」( 以上2例判例タイムズ社発行 )、「労働判例No.935」( 産労研究所発行 ) に掲載実績あり。なお、低周波音の分野で、「判例タイムズ1451号(国賠訴訟)」「建築ジャーナル5」「家電批評2013年9月号」、朝日新聞等の記事多数あり

チャリティー活動

11弦ギター 井坂和広 チャリティーCD

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